ホーム > 未分類 > 【続編】重伝建地区をめぐる旅 ~岡山県高梁市吹屋ふるさと村~編

【続編】重伝建地区をめぐる旅 ~岡山県高梁市吹屋ふるさと村~編

津山でのいろんな人との出会いを楽しんだあとは

自転車をバラしてクルマに積み込み、高速走って一路高梁市吹屋町へと向かいます。

ホテルの住所をナビに入力、あとはナビ任せと思いきや吹屋町って実はとんでもない山奥。

途中からナビが機能しなくなる。

普通ナビって次に進むべき道を教えてくれるはずが自分の走った道を

上塗りするだけで全くどこへいきゃいいのかわからない。

なので看板だけを頼りに進むことに。気がつけばえっらい時間が掛かってしまった。

そんな途中で撮ったスピード注意の案山子です。

案山子

これは暗がりで見たらチョイ怖いな。

道に迷いながらもようやくベンガラの町「吹屋町ふるさと村」にとーちゃく。

まず目に飛び込むのが町全体が赤褐色に染まっている。

これだけで非日常感を醸し出している。これは明日の視察が楽しみ。

今晩はラフォーレ吹屋で宿泊。

チェックインを済ませて自転車を預かってほしいとお願いしたら「どうぞ部屋へ持ち込んでください」って。

ツインルームだったので遠慮なく持ち込み。

部屋の写真

食事を済ませてこんな感じで11時には寝てもうた。

翌朝

二日目のお天気快晴。

夕方まで雨が降らないとの天気予報。

わたくし、とことん晴れ男です。

視察の前後がきっちり雨でその間隙をぬって自転車視察ですから。

さて、この吹屋町、重伝建地区に昭和52年に選定されているので随分と時間が経っています。

非常にコンパクトに整備されている重伝建地区です。

屋根から壁から地面から何から何まで全部ベンガラ色しています。

このベンガラとは何かといいますと単純に説明すると酸化鉄のことです。

銅鉱山で使われないで廃棄処理される鉱石には鉄分が多く含まれます。

これが雨ざらしになると錆びて赤くなる。

この鉱石を精製して顔料などにしたのがベンガラです。

紫外線による色の劣化がない上、防虫効果が高いといわれています。

もともと廃棄していたものが宝の山となったのですから大きな財を築き上げたのもうなづけます。

この超山奥に大きな集落ができあがるほどの産業があったというのですから凄いことです。

関連する観光施設は朝9時から開いているとの情報があったので

まず最初に向かったのが復元された笹畝坑道。

笹畝坑道

ここは大正時代まで採掘されていた銅山。

当時の作業風景などが復元されています。

狭い通路を入っていくと突然大きな洞窟が現れます。

笹畝坑道2

昔の人はこれを金槌と鍬で採掘していたと考えると気が遠くなるような空間ですが、

このあたりの銅山の採掘はなんと西暦807年から掘られており、

外からは見えませんが全長168kmに及ぶ坑道があるそうです。

実は山の中は蜘蛛の巣状になっているということですね。

次に向かったのが豪商広兼邸。

広兼邸

銅山を営みお城と見間違えるほどの城壁を備える大豪邸です。

広兼邸2

 映画「八墓村」の舞台となった重要文化財の邸宅。

2作ともこちらでロケされたようです。

広兼邸3

不寝番部屋。字のごとく夜中も見張りがいたということですね。

邸宅の面積は700坪。山の斜面に700坪ですからその石垣はまさにお城そのもの

どれくらいの規模か想像つくかと思います。

次に向かうはベンガラ館。

ベンガラ館

ベンガラ造りは昭和49年までおこなわれいたものを復元しています。

ベンガラ館2

製造工程を細かく見れる施設ですがすべて手作りでおこなわれていたんですね。

ということはどれだけの雇用があったかというのもわかります。

ベンガラ館3

で、登場のこのおばあさん(受付に居ます)、

メッチャ詳しく流れるような口調でベンガラの歴史を教えてくれます。

年代が次から次と出てくるのは圧巻でした。

ここへ行ったら絶対お声を掛けて聞いて下さい。

昭和47年に銅山閉山にともない三菱金属が撤退、

雇用の大半は三菱自動車水島製作所へと移ってしまい一気に錆れていった。

ベンガラだけにまさに錆れるですね。

企業の経済活動に翻弄され、いまの姿を残しているのは悲しいような感じでした。

見学者も私一人だったこともありついつい話し込んでしまった。

田舎のおばあちゃんはおもてなしも半端じゃないので逆に遠慮しながらベンガラ館をあとにしました。

地元の方々とお話しながらの視察は時間があっという間になくなります。

先程まで良かった天気がなにやら雲が多くなりあやしい感じに。

地元のおばさんが雨が早まってるよと教えてくれます。

このあと吹屋の町並に戻って醤油屋さんにいくことに。

長尾醤油さん。

長尾醤油

もともとは酒造業を営んでおられましたが

今は醤油を製造されています。

老舗ですが意外に今風のお醤油で出汁が入っていたりでなじみやすい。

せっかくなので奥さんと立ち話。

長尾醤油奥さん

醤油屋なんて儲からん!の連発。

子供も学校卒業したら外に勤めて帰ってこん。

病院もないし、スーパーもないし不便なところや。

なんか悲しいお話ばかりですが・・・

それでも文字で書ききれないものが都会の人間には感じるんですね。

これからは人が観光資源になる。

これを言い続けていますがまさに人情味に癒やされてしまう。

これも観光なんですね。

お醤油やその他いろいろお買い物をしまして一服することに。

どうしても入ってみたい喫茶店があったので立ち寄る。

tulenote2

喫茶tulenote

アンティークなコーヒー専門店

好みの味を言えば応じた豆をひいて飲ませてくれます。

オーナー

オーナーさんは地元ではなく他市から来られてます。

客観的な目線でいろいろとお話聴けました。

最後に山神社まで上って屋根風景を一枚おさえて帰路につきました。

屋根風景

で、最後にお決まりの所感

私がここへ入ったのが金曜日夕方、一泊して土曜日半日滞在。

本来もっと観光客があっても良さそうですが意外に人がいない。

外国人観光客が以前よりも増えたように町の人から聞きますがしれてます。

観光産業というところにはまだまだほど遠い。

箱物にかなりの税金が投入されていますが交通アクセスにもっと目を向けることが大事じゃないかな。

といいますのも岡山ってやっぱ中途半端なところにあるんですね。

大阪、神戸の次は広島まで飛んでしまう。

その中間で広島に微妙に近いのに行くとなると遠い。

この中途半端感がどうにもならないのか。

アクセスがもっとよければ広島観光のパッケージに入りそうな気もする。

どうでしょうか?

正直いうと行きにくいところですが、でも行けば満足できるものがあります。

特に日本人に行ってほしい町。日本人だとその良さがより分かる町。

変に外国人観光客向けになっていない。ここは素です。

是非おクルマで行ってみてください。

歴史を勉強しながら地域の人とおしゃべりする。

これで旅行は数倍楽しくなります。

もう一個いわせてもらうと温泉あったらよかったのになぁ。

地質上、硫化鉄鉱多いので温泉には不向きなのかもしれない。

「重伝建地区を巡る旅」まだまだ続きます。

コメント:0

コメントフォーム
Remember personal info

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

トラックバック:0

Trackback URL for this entry
http://blog.amanosake.com/wp-trackback.php?p=13753
Listed below are links to weblogs that reference
【続編】重伝建地区をめぐる旅 ~岡山県高梁市吹屋ふるさと村~編 from 婆娑羅な酒蔵繁盛記

ホーム > 未分類 > 【続編】重伝建地区をめぐる旅 ~岡山県高梁市吹屋ふるさと村~編

検索
フィード
メタ

Return to page top