- 2012-11-30 (金) 0:10
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今日のNHK『クローズアップ現代』で伝統的歴史建造物の保存について
報じられていた。つい先日もニュースで流れたが大阪市内で一番古い渡辺邸
(淀川区)が相続税が払えなく不動産会社に売り渡され取り壊された。
この家は江戸時代初期に建造された非常に価値のある家だったが指定文化財
になったのが昔だったため当時の規制では転売が簡単にできる条件だった
ようです。敷地面積が800坪もあり淀川区という都会に立地していることから
するとかなりの固定資産税も払わされるだろうし個人で維持していくのは
簡単じゃなかったと思う。でもそこをなんとか近隣住民も関心をもって
建物保存を訴えることをもっと早くやっていればひょっとすると手段があった
かもしれない。すべて手遅れ状態で保存運動が始まったのが不運だったと感じる。
うちの旧店舗も江戸末期の建築で築150年以上の古い建物。ちょうど指定文化財
にするべく手続きを進めているところです。うちも例にもれず指定を打ったところで
あとの維持管理費をどうやっていくのか。これが一番問題なんです。
うちの場合は向かい側で酒蔵を営んでいるので町づくりの一貫で保存し、
お店も誘致しやすい環境がまだ整っていますが、普通の住宅街にひっそりと
残された歴史建造物というのは行政が思い切って予算をつけて残す以外に
今後もどんどんなくなっていくかと思います。
とくに不動産業者にひとこと言わせてもらうなら同じ日本人として文化意識
もって商いをしてほしい。何でもかんでも金のために取り壊して更地にして
転売するというのでなく、そのまま残すことでさらに付加価値が上がるという
やり方が考えられないのか。私には金の亡者にしか見えないのです。
高度経済成長で日本人は何でもかんでもつぶして造り替えていくのが
当たり前になっていましたが、昨今は日本人の意識に変化が出てきているように
感じます。ヨーロッパのような古いものを残していく意識が他のアジア諸国に
比べて強くなってきていると。対して中国や韓国は順調な経済成長のために
古いものへの関心が低く、ただただ目先の金儲けに奔走していると思う。
いくら経済的にすぐれていても歴史や風土を大切にできない国民は最後に
寂しい思いをすると思います。もっと多くの日本人が気付いていくことを
望んでいます。
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